フランス当局は19日、首都パリや北部リール、南部ニースなど複数の都市の一部地域に夜間外出禁止令を発令した。週末に行われた全国的なデモが暴動や略奪に発展し、政府は治安対策の不備を巡って対応を迫られている。
ルコルニュ首相は、一部地域で夜間外出禁止令を出すよう地方当局に要請していた。首相は、パリ全域を対象とする全面的な夜間外出禁止令は否定したが、非常事態宣言については排除しなかった。ただ、現段階では部分的かつ地域限定の夜間外出禁止令の方がより適切との考えを示していた。
パリ警察によると、首都の一部地域で19日午後8時(1800GMT、日本時間20日午前3時)からデモを禁止する命令を出したほか、レピュブリック広場とレアールの周辺で午後11時から夜間外出禁止令を発令した。いずれも20日午前6時まで適用される。警察は声明で「これらの措置の厳格な順守を確保するため、警察部隊を配置している」と表明した。
首相府関係者によると、北部のリール、ドゥエー、ワティニー、ドゥナンでは、各市長の同意を得て、未成年者を対象に午後8時から翌朝午前6時までの夜間外出禁止令を2日間にわたり実施する。
ニースのエリック・シオッティ市長はインターネットに投稿した動画で、市中心部で未成年者の夜間外出を禁止する命令に署名したと述べた。
マルセイユは集会とデモを禁止した。一方、フランスの労働組合は11月5日に新たなストライキと集会を実施するよう呼びかけた。
数週間にわたる学生デモに続き、17日には、生活費の高騰と公共サービスの質の低下に抗議するデモが一部で暴徒化し、過去数十年で同国最大規模の暴動に発展した。
商業・小売連盟によると、週末に被害を受けた店舗は約3000店に上っている。
次期大統領選まで半年に迫るフランスを揺るがし、経済の低迷と債務の急増による圧力を浮き彫りにした。