懐かしさだけではない「更新」の力
東京おもちゃショー2026で見えてきたのは、定番キャラクターが過去の人気に支えられているだけではないということだ。ポケモンやたまごっちの周年企画、還暦を控えるリカちゃん、40年の歴史を持つシルバニアファミリー。それぞれの展開に共通するのは、長く親しまれてきた核を保ちながら、復刻、関連グッズ、SNSでの発信、世代を超えた体験などを通じて、現在のファンに届く形へと更新している点である。
こうした動きは、玩具市場における「リバイバル」が単に昔の商品を再発売することではないと示している。かつて遊んだ人には思い出を呼び起こし、新しい世代には初めて出会う魅力を提供する。
さらに、集める、撮影する、共有する、日常で身に着けるといった楽しみ方を加えることで、キャラクターとの関係は“遊ぶ時間の外側“にも広がっていく。定番の価値は、変わらないことだけでなく、時代に合わせて楽しみ方を変えられることにもある。
一方、変身アイテムなどの展示からは、造形の再現度と大量生産を両立させる難しさも垣間見えた。3Dプリンターなどのデジタル技術が身近になり、形をつくるハードルは下がっているが、商品として広く届けるには、品質、コスト、生産性のバランスが欠かせない。キャラクターへの愛着を支えるのは、デザインや物語だけではなく、それを手に取れる製品として届けるものづくりの力でもある。
AIやデジタル技術が生活に浸透する時代になっても、人は手のひらサイズの玩具やキャラクターに心を動かされる。会場には「ちいかわ」やボンボンドロップシールなど、いまの人気を映す商品も並んでいた。一方で、昭和、平成から続くキャラクターが節目を迎え、なお支持を集めている。
新しいものと懐かしいものは、必ずしも競合するわけではない。長く愛されるキャラクターが時代ごとの遊び方を取り込み続けることこそ、玩具市場を盛り上げる底力になっている。
(執筆者 N.I.、M.F.、S.Y)
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