※ニュースの裏側で、経済はどう動いているのか。連載「加谷珪一 経済ニュース超解説」では、経済評論家の加谷珪一氏が、国内外の経済ニュースを手がかりに、その背景にある構造や本質を読み解きます。

愛知・名古屋アジア競技大会に出場したタイ代表の監督らが、日本側の対応に不満を述べる投稿を行ったことに対し、愛知県の大村秀章知事が「来てほしくなかった」と発言して波紋を呼んでいる。

今回のアジア大会では、各国から運営の不備について指摘する声が相次いでおり、なかには「日本の力量ではもはや国際大会の開催は無理」といった厳しい意見も出ている。各論を言えば切りがないが、大きな枠組みとして日本の国力が低下しており、グローバル水準のサービスを維持できなくなっている現実は否定できないだろう。

監督らが不満を述べたテックボールについては、新競技であったことから、直接的に組織委員会が運営実務を担わないという特殊要因があったものの、発生したトラブルに関して主催者トップが「この人たちは何しに来たんだ」「再生回数を稼ぎに来たのかと思った」などと公の場で述べるのは、限りなく暴言に近い。実際、大村氏の発言は複数の海外メディアが取り上げ、タイ国内でも波紋が広がっている。

今回のアジア大会ではバス輸送や宿泊施設、競技運営などにおいて、相当数の不備が指摘されている。世界から人が集まる国際スポーツ大会では、各種クレームが発生するのは日常茶飯事とはいえ、今回のアジア大会はその数が突出している。日本側の対応に問題があったのは間違いない。

不備の原因としては、選手村を造らず宿泊を分散体制にした経費削減体制がうまく機能しなかったことなどが指摘されている。確かに直接的にはそれが原因かもしれないが、根底にあるのはそのような問題ではない。

分散体制にする以上、高度なITシステムがなければマネジメントできないのは自明の理であり、それを想定・実装できなかったこと自体が致命的な失態といえる。

日本のサービスレベルは相当低い
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