(英文の訂正により、見出しおよび1段落目の「政府系ファンド」を「政府・公的機関」に訂正します)
Selena Li
[バンコク 15日 ロイター] - 米シティグループによると、政府・公的機関(訂正)が、ドル以外での資金調達を増やしている。人工知能(AI)関連の資金調達が活発な中、調達コストが上昇しており、調達先の多様化に向けて人民元、豪ドル、香港ドル、シンガポールドル建ての調達に関心が示されているという。
シティの公共部門グループのグローバル責任者を務めるステファニー・フォンフリーデブルク氏は、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が開催されているタイのバンコクでロイターの取材に応じ、「資本のパイは限られている。ここ何年もなかったことだが、公共部門のソブリン(国家)と民間企業がその資本を奪い合っている。それを主に引き起こしているのは、借り入れを必要とするソブリンだ」と述べた。
政府系ファンド(SWF)は世界最大の機関投資家グループだ。グローバルSWFのデータによると、世界のSWFの資産総額は10月時点で約16兆5000億ドルに上る。
格付け会社フィッチは13日公表したリポートで、経済規模が世界上位10カ国の10年物国債利回りが年初から平均81ベーシスポイント(bp)上昇したと指摘した。
フォンフリーデブルク氏によると、ソブリンなどの公共部門の投資家は、インフラ、エネルギー安全保障、防衛、開発といった優先課題の資金を賄うため、債券発行を増やそうとしているが、民間部門でAI関連投資が活発になっているため、資金獲得競争が厳しくなっている。
先進国で利回りが上昇し、巨額の民間資本がAIインフラへの投資に回っているため、途上国が資金調達市場から締め出されていると述べた。途上国はもともと債務返済の負担が重く、財政余力も乏しいため、「開発のための債務スワップ」のような新しい代替策を使わなければ、エネルギー、運輸、デジタル分野の将来に向けた資金を確保するのに苦労するだろうと述べた。
また、金価格の上昇を受け、外貨準備の運用担当者がヘッジや流動性管理、金準備を担保にした借り入れといった手段を検討しているという。
ただ同氏は、市場の厚みと流動性で米ドルに並ぶ市場はほかにないため、米ドルの主導的地位は当面揺らがないとの見方を示した。