Patturaja Murugaboopathy

[13日 ロイター] - 米国の投資家が、伝統的な「株式60%/債券40%」のポートフォリオ戦略を再評価している。国債価格が急落して利回りが上昇し、インカムゲイン(利息収入)の魅力が増して将来的なリターンの向上も期待できる水準になったためだ。

2008年の金融危機以降、超低金利によって債券に資産分散以上の価値が乏しくなったことから、投資家は株式比率を高め、60/40戦略は敬遠されるようになっていた。

また債券価格が株式と連動して上昇するようになったことで、逆相関関係が崩れ、分散の効果も薄れていた。

しかし足元の利回り上昇によって状況は変わった。一部年限の米国債利回りが5%を超えたことでインカムゲインが増え、多くの投資家はそれが債券価格の下落に対するクッションになるとみている。

原油価格の上昇と、インフレやソブリン債務への懸念を背景に、米国からドイツ、日本に至るまで債券利回りは数十年ぶりの高水準に上昇したが、多くのアナリストは利回りがピークに近いとみている。

SMBCグループのニューヨークを拠点とする金利ストラテジスト、モンティ・ガンディ氏は、供給要因を主とするインフレショックの連鎖が60/40戦略を採るポートフォリオに打撃を与えたが、現在の利回り水準であれば債券への資産配分は正当化されやすいと説明。「この水準であれば、個人的には債券を買う方が理にかなっていると思う。良好なキャリーが得られる」と語った。

バンク・オブ・アメリカの10月版ファンドマネジャー調査によると、投資家が株式から債券への本格的なシフトに踏み切るには、米10年国債利回りが約5.9%まで上昇する必要があると考えられている。

ドバイを拠点とするスリー・ピンズ・キャピタルのシニア・エグゼクティブ・オフィサー、ラジャト・クマール氏は、10年国債利回りが5.5%に向かって上昇すれば米経済が大幅に減速し、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ余地が狭まり、現在の利回りを確保しておくべき根拠が強まると話した。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントは8月と9月前半、インフレ懸念から債券のアンダーウェート度合いを強めたが、9月後半には方針を転換し、債券を「買い増し」てアンダーウェート・ポジションの利益を確定したとことを明らかにした。

ファンド動向を見ると、投資家は選別的に投資している。LSEGリッパーのデータによれば、9月に投資家は短期米国債ファンドに145億ドル、ローン・パーティシペーション・ファンドに49億ドルを投入した一方、社債ファンドから49億ドル、高利回り債ファンドから45億ドルを引き揚げた。

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