Cian Muenster Leo Marchandon
[13日 ロイター] - ドイツIFO経済研究所は13日、ドイツが人工知能(AI)の学習データへのアクセス制限を厳格化すれば、経済効果が年間1550億ユーロ(約1734億3000万ドル)減るリスクがあるとの試算を発表した。
欧州は最先端AIモデルの開発で米国や中国に追い付こうと急ピッチで取り組んでいる。その中で政策立案者やハイテク企業は、AIがもたらすリスクとイノベーション(技術革新)の促進との間でバランスを取ろうと苦心している。
IFOエコノミストのオリバー・ファルク氏は「欧州で最先端のAIモデルを確立したいと考えるのならば、学習データへのアクセスを不必要に複雑化してはならない。両立は不可能だ」との見解を示した。
IFOは生成AIモデルが2034年までにドイツ経済に年間4400億ユーロの経済効果をもたらす可能性があると試算。一方、学習データへのアクセスを制限することでAIの導入が遅れれば年間450億ユーロ、AIモデルの性能が低下すれば年間750億ユーロ、研究成果が低減すれば年間250億ユーロ、欧州でAI開発が縮小すれば年間100億ユーロそれぞれ減るリスクがあるとし、これらの合算が年間1550億ユーロとなる。
IFOは欧州連合(EU)の政策立案者に対し、商業利用に関するEUの「テキスト・データマイニング」の適用除外措置を維持しつつ、適切な透明性要件と実用的なオプトアウト基準を設定するよう求めた。欧州については規制の不確実性が欧州への投資を既に阻害していると批判した。
ドイツのAI企業アレフ・アルファのイルハン・シェーア最高経営責任者(CEO)はロイターに対して「競争力のあるAIの開発には多様で、質の高い学習データへのアクセスが不可欠だ。不必要な規制や法的な不確実性は、その開発を困難にする」と指摘。「欧州は既存の法的枠組みを最大限に活用すべきだ」と訴えた。