Nimesh Vora Jaspreet Kalra

[ムンバイ 13日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は通貨ルピーを支えるため厳しい規制措置を相次いで打ち出した。これにより複数の銀行がドル・ルピーのフォワード取引で気配値の提示を控えるという想定外の事態が生じている。銀行関係者が明らかにした。

関係者によると、一連の措置とドル購入に対する監視強化により、新規制の適用範囲や追加措置の有無を巡り不透明感が広がっている。

ルピーは先週、中銀が約4年ぶりに利上げしたにもかかわらず、1ドル=96.96ルピーと過去最安値に迫る水準まで下落した。中銀はこれを受けて規制措置を導入した。その後ルピーは95.25ルピーまで回復した。

バークレイズのアジア外国為替・新興国マクロ戦略責任者ミトゥル・コテチャ氏は「インド中銀はルピー安が行き過ぎている可能性を示唆する段階から、外国為替市場でのドル需要と投機的な取引を直接抑え込む段階に移った」と述べた。

「こうした措置でドル需要が生じる時期や場所、調達コストに影響を与えることはできる。だが貿易やヘッジの必要性、資本流出に伴う実需をなくすことはできない」と指摘した。

<想定外の影響>

銀行関係者によると、13日の取引序盤には、国営、民間、外資系の大手銀行少なくとも8行がドル・ルピーのフォワード取引で気配値の提示を控えた。

背景にあるのは、中銀が12日夜に出した通達だ。銀行が自らの資産・負債の為替リスクをヘッジするためにルピーのデリバティブ契約を利用する場合、リスクに備えた準備金を積むよう義務付けた。銀行が外貨を購入する全てのルピーのデリバティブ契約に適用される。

銀行側はこの規定により、証拠金の要件が銀行間取引にも適用されると解釈した。このためドル・ルピーのフォワード取引で気配値を提示するかどうか再検討する動きが出た。ただ、中銀の考えに詳しい関係者は、この解釈は誤りだと指摘した。マーケットメークやトレーディングを目的とするデリバティブは通達の対象外だという。

銀行関係者によると、8行のうち3行は中銀から個別に説明を受け、フォワード取引の気配値提示を再開した。他の為替トレーダーは、正式な通知を待ってから銀行間取引での気配値提示を再開するとしている。

銀行が気配値の提示を控えたことで、ドル・ルピーのフォワード取引量は減少し、売値と買値の差が拡大して、相場は大きく変動した。大手外銀の関係者によると、国内市場でのヘッジ費用が高くなるとの懸念から、顧客の取引はノンデリバラブルフォワード(NDF)市場に移った。

MUFGはルピーが来年7─9月期までに1ドル=97.50ルピーへ緩やかに下落すると予想している。ルピー安がさらに進めば、追加措置が講じられるとみている。

MUFGの上級通貨アナリスト、マイケル・ワン氏はリポートで「ルピーにかかる根本的な圧力が和らぐには、結局のところインドの基礎的な資金フローが変わる必要がある」と述べた。

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