Tamiyuki Kihara
[東京/ワシントン 10日 ロイター] - 茂木敏充外相は10日夜、米国のルビオ国務長官と電話会談し、トランプ米政権が国際刑事裁判所(ICC)本体に制裁措置を科したことについて、緊密に意思疎通を継続することで一致した。茂木氏はこれに先立ち、ICCの赤根智子所長とも電話で会談した。
日本外務省によると、茂木氏はICCについてルビオ氏に「これまで表明している日本の立場」(外務省関係者)を改めて伝達。両氏は緊密に意思疎通を継続していくことで一致した。厳しい安全保障環境の中で日米同盟をさらに強固なものにし、幅広く協力を進めていくために引き続き取り組むことも確認した。
このほか、沖縄県で発生した強盗殺人事件で米兵が逮捕されたことについても「事件の発生防止のために実効性のある措置を取るべく、日米間で協議していくこと」を確認した。赤根氏との電話会談では、ICCを巡る現下の状況などについて意見交換したという。
米国務省は声明で、日米外相が電話会談で、ICCへの制裁や30─31日に米アトランタで開催される20カ国・地域(G20)外相会合などについて意見交換したと発表した。沖縄県で発生した強盗殺人事件については、 「ルビオ氏は沖縄での日本国民の死去に心からの哀悼の意を示すとともに、日本政府と地元当局が捜査を進めるに当たり、連絡を取り合い全面的に協力するという米国の決意を伝えた」とした。
日本や英国など複数の欧州諸国、カナダの外相は9日、トランプ米政権がICC本体に制裁措置を科したことを受け、「制裁が実施されれば、ICCの活動、献身的な職員、その家族に重大な影響を及ぼすことになる」などとする共同声明を発表した。
高市早苗首相も同日夜、米国の制裁が「日本の立場と相容れるものではなく、深く懸念している」と自身のソーシャルメディア「X」に投稿。「我が国は国際社会における法の支配を一貫して重視し、その役割を担うICCを支持している」とも改めて表明した。
ノルウェーに本拠地を置くノーベル賞委員会は同日、ICCで判事を務めたナビ・ピレイ氏にノーベル平和賞を授与すると発表した。これを受け、トランプ米大統領は自身が受賞できなかったことに不満を表明。恥ずべき不名誉な決定でノルウェーに汚点を残したなどと批判していた。
(鬼原民幸 編集:平田紀之)