アメリカと中国は多くの分野でしのぎを削っている。AI、レアアース、貿易、防衛などでのライバル関係が注目を集めるが、その裏でもう1つの競争が静かに進行中。勝負の行方がエネルギーの未来を左右するかもしれない。

競争の舞台は核融合。将来、ほぼ無尽蔵のエネルギー源となる可能性を秘めた技術である。主な燃料は、宇宙で最もありふれた元素である水素の同位体だ。

「これは単にエネルギー技術をめぐる競争ではない。世界のパワーバランスを大きく変える可能性がある」と、シンクタンク「スペシャル・コンペティティブ・スタディーズ・プロジェクト(SCSP)」で技術優位性と核融合エネルギーを担当するデービッド・リンは本誌に語った。

核融合は化石燃料と違って燃焼を必要としない。核分裂による原子力発電と違い、大惨事につながる炉心溶融の危険もない。太陽光や風力のように天候に左右されることもない。

商業発電に必要な規模で核融合による電力を生み出した国は、まだない。だが企業の関心は高まっており、実用化を待たずに電力購入契約を結んだAI企業もある。さらに、ドナルド・トランプ米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」を運営する企業の親会社トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは、核融合開発企業TAEテクノロジーズ(カリフォルニア州)と、60億ドルを超える規模の合併を進めている。

AIとの相乗効果への期待
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