Humeyra Pamuk Steve Holland
[ハーグ 9日 ロイター] - トランプ米政権は9日、国際刑事裁判所(ICC)本体に制裁を科した。ICCにサービスを提供する企業も制裁対象となる可能性があり、トランプ政権が敵視してきたICCの活動能力を低下させる狙いがある。
公式発表に先立ち、ロイターが入手した声明によると、ルビオ国務長官は「米国はICCに制裁を科す。われわれはこの無法な裁判所との取引を禁止し、資金源を断ち、運営能力を著しく低下させる」と表明。「トランプ大統領は、ICCによる米国人の訴追を決して許さない」と述べた。また、今回の措置は、ICCと加盟国に対し米国の懸念に対処する機会を与えることを目的としていると説明した。
米国の制裁措置は通常、米国に拠点を置く全ての企業に対し、制裁対象となった組織との取引を禁じる。金融機関は口座の閉鎖、保険会社は契約の解除、ソフトウェア企業は協力関係の停止を迫られる可能性がある。
ただ今回は複数の例外措置も認められ、米財務省は、ICCの通信やソフトウェアなどに絡む取引の一部を許可する4件の包括的なライセンスを発行した。
米政権はこれまでに、ICCによるイスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状発行やアフガニスタン駐留米軍を巡る過去の捜査などに反発し、赤根智子所長らICC関係者を制裁対象に指定してきた。
ICCは声明で「司法手続きを妨害し、裁判所が設立目的を果たすことを阻止しようとする試みで、法の支配そして国際法秩序の根幹に対する攻撃だ」と強く非難。その上で、加盟国に対し、ICCが引き続き機能していけるよう支援を求めた。
ICCのカーン副検察官もロイターに対し、米国の制裁措置は「国際的な法の支配と独立した司法機関の活動を弱体化させることを目的としている」とし、「非難されるべきだ」と批判した。同時に、制裁によってICCの活動が停止することはない言明した。
今回の制裁措置は、ノルウェーのノーベル賞委員会がナビ・ピレイ元ICC判事へのノーベル平和賞授与を発表してからわずか数時間後に公表された。