イエメン情勢の悪化によって、中東からの原油供給不足がさらに深刻化している。専門家からは、これまでとは次元が異なっており、抜本的な政策転換が必要との指摘も出ている状況だ。
2026年春に行われたアメリカによるイラン攻撃が失敗に終わり、イランがペルシャ湾の出口に当たるホルムズ海峡を封鎖したことによって、産油国からの原油供給が厳しい状況となっている。とりわけ中東産原油への依存度が高く、ナフサを国内で十分に生産できない日本にとって影響は大きい。
一方で、サウジアラビアなど湾岸産油国は、ペルシャ湾を経由しない出荷ルートの確保に腐心しており、反対側に位置する紅海沿岸にパイプラインで原油を運び、そこからインド洋、あるいはスエズ運河を経由して地中海に出るルートは何とか機能させていた。だがその状況を一気に覆したのが今回の出来事である。
アラビア半島南部に位置するイエメンでは内戦が続いていたが、9月に入り、親イラン武装組織フーシ派が紅海の出口に近い港湾都市モカを攻撃。紅海からインド洋への出口に当たるバべルマンデブ海峡が実質的に封鎖されてしまった。
同じタイミングでアラビア半島を横断する全長1200キロのパイプラインも攻撃を受け、紅海側に原油を輸送できなくなっている。その結果、サウジアラビアは原油の出荷がさらに困難となり、出荷できたとしてもフーシ派の意向次第では、スエズ運河からしかタンカーを出せない状態となっている。