数々の大ヒット映画を作ってきたスピルバーグも間もなく80歳
数々の大ヒット映画を作ってきたスピルバーグも間もなく80歳 BRYAN BEDDER/GETTY IMAGES FOR UNIVERSAL PICTURES AND AMBLIN ENTERTAINMENT

宇宙で最も強い力は感じる力

ワーデックスでは、ある一派が会社の秘密を公表しようと動いている。宇宙人がダニエルに数学──「宇宙という書物が書かれた言語」──を教えたのは、人類に彼らのことを理解させるためだと、一派のリーダーは語る。

一方、宇宙人は人類が自分自身を理解できるように、マーガレットには他人の感情を読む力を授けた。共感する力が進化の過程で有利に働くと、彼らは考えているのだ。

センチメンタルな作風で知られるスピルバーグらしく、宇宙で最も強い力は感じる力なのだと『ディスクロージャー・デイ』は訴える。

『未知との遭遇』でも、異なる言語をつなぐ翻訳が重要な役割を果たしていた。映画の冒頭、長らく行方不明だった飛行機がメキシコの砂漠で発見されるが、この場面では少なくとも3つの言語が飛び交う。

ボブ・バラバン演じるフランス語の通訳は、フランソワ・トリュフォー演じるフランス人科学者の単なるおまけではなく、彼自身が重要なキャラクターになっていく。

一方で、言語が役に立たなくなる、もしくは少なくとも重要ではなくなる場面があることも明示される。この作品の宇宙人は、意識下に刷り込んだ山の映像や、5つの音から成る旋律で人類とコミュニケーションを取る。

ちなみにスピルバーグはテレビのトーク番組で、『未知との遭遇』でコンピューター音楽を普遍的な言語として使ったのは、コンピューター技師の父とピアニストの母の不仲を「和解」に導く彼なりの方法だったのではないか、と指摘されたことがある。

スピルバーグが映画に残した最後のせりふ