<AIは人類を脅かすのか。OpenAIやAnthropicの経営者が国連安保理でも警鐘を鳴らす一方、その根拠となる事故情報の多くを握っているのもAI企業自身だ>
相次いで公表されたインシデントを検証すると、AIの脅威だけではなく、「誰が脅威を語るのか」という規制論の難しさが見えてくる。
広がるAI脅威論とその実像
2026年9月23日(現地時間)、国連安全保障理事会(以下、安保理)で、OpenAIのSam Altman氏とAnthropicのDario Amodei氏がAIのリスクについて説明を行った。AIの脅威を訴えているのが世界有数のAI企業の経営者であり、脅威の実例となる事故の情報も彼らの手元にあるという点に、この問題の難しさがある。
Fox Businessによれば、会合はフランスのJean-Noël Barrot外相が議長を務めた。国連の会合記録によれば、国連のAIに関する独立国際科学パネル共同議長のYoshua Bengio氏と、Hugging FaceのClément Delangue氏も発言した。
国連の会合記録によれば、Amodei氏は、管理を誤ればAIは人類全体にとってのリスクになりうるとさえ考えていると述べ、Altman氏も、OpenAIが公開した演説記録によれば、人間の未来の主導権をAIに奪われかねないと語った。
脅威論はこの数週間で広がっていた。日本経済新聞によれば、9月12日にはAmodei氏が自身のブログで、AI企業は開発ペースを遅くする必要があると訴え、多くの米AI企業の首脳が同調した。
一方、ホワイトハウスによれば、トランプ大統領は会合前日の9月22日、国連総会の演説で、AIを管理するグローバリスト的な枠組みを構築するいかなる試みも全面的に拒否すると述べた。