制御の利かないAI開発のスピードをめぐる懸念が最近高まっている。投資家や米政府当局者の間では、AI業界が近く減速に転じ、それに伴って米国経済全体まで勢いを失うのではないかとの不安が広がっている。
ここ数日、OpenAIのサム・アルトマンCEOやAnthropicのダリオ・アモデイCEOらAI業界の有力者は、猛烈なスピードで進む技術革新によって、「インターネット全体を乗っ取る」能力を持つ暴走AIの「群れ」が出現する差し迫ったリスクが生じていると警告している。
これに先立ち、特にAnthropicの元研究者ジェイコブ・コクソンなど、かつてAI開発に携わった人物たちも、最先端のAIシステムが人類の存続を脅かしかねない一方、この技術を先導する企業はその危険性を十分に理解していないと警鐘を鳴らしていた。
アモデイは「We Must Pace the Frontier(最先端AIの開発速度を調整しなければならない)」と題した論考で、各国政府や他の開発者に対し、安全策を講じ、「AIモデルの能力向上のペースを落とす」よう呼びかけた。イーロン・マスクやGoogle DeepMindのデミス・ハサビスCEOら著名人も同様の主張をしている。一方、マーク・ザッカーバーグやNvidiaのジェンスン・フアンCEOは、開発を抑制する案に反対している。
ドナルド・トランプ大統領は、こうした人類存亡に関わる懸念を「でっち上げ」「病んだ陰謀」だと一蹴し、AI競争で中国に先行を許すことになると主張している。トランプはこれまでも、データセンターは米国経済に不可欠だとして擁護してきた。
最終的にどちらの見方が正しいと判明するにせよ、AI技術とそれを支えるインフラには巨額の投資が行われており、米国経済とAIはますます密接に結びついている。そのため、AIの開発や導入に何らかの変化があれば、その影響は必然的に米国経済にも波及することになる。