Francesco Guarascio Phuong Nguyen
[ハノイ 25日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループ傘下の三井住友銀行(SMBC)が、ベトナムの民間銀行大手VPバンクへの出資比率を現在の15%から約20%へ引き上げる方向で協議を進めていることが分かった。企業価値の評価で双方の見解に隔たりがあり、交渉を続けている。
出資比率の引き上げは、交渉に詳しい関係者4人が明らかにした。このうちの関係者2人によると、両社は年内の取引完了を目指しているが、株式の評価額を巡ってまだ折り合いがついていない。
SMBCは2023年、VPバンク株15%を市場価格より約40%高い計15億ドル(当時のレートで約1800億円)で取得した。関係者1人によると協議は数カ月前から行われており、今回の追加出資でもVPバンクは当時と同水準の評価を求めている。一方、別の関係者によればSMBCは同様のプレミアムの支払いには慎重で、第三者割当増資ではなく市場での買い付けを通じて比率を引き上げる選択肢も検討しているという。
現在の株価水準では、追加取得が見込まれる5%分の持ち分は約4億2500万ドルに相当する。
ロイターの問い合わせに対し、SMBCは「個別案件に関する照会については回答を差し控える」とした。VPバンクはコメントを控えた。
VPバンクは4月、外国投資家との第三者割当増資について協議していると明らかにした。スイスの投資助言会社トゥリクム・インベストメント・マネジメントは5月のリポートで、VPバンクが新株発行による持ち分売却で7億─9億ドルを調達するとの見通しを示した。
輸出依存度の高いベトナムは、インフラ投資や中間所得層の拡大に伴う消費増加を背景に、2030年まで年率10%以上の成長を目標に掲げる。
成長を取り込むためベトナムの主要銀行には、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJ銀行など他のメガバンクも戦略出資している。
SMFGは、現地の銀行やノンバンクへの出資や買収を通じてリテール・中小企業金融を取り込み総合金融グループの事業基盤を構築する海外戦略を展開しており、VPバンクへの出資もその一環。関係者の1人によると、今回の追加出資により、保険や融資などの分野でベトナムの顧客基盤へのアクセス拡大を目指している。