ドナルド・トランプ大統領は、アメリカ国内のドライバーの負担を軽減するため、トラックや農業機械などに使われるディーゼル燃料(軽油)の輸出を禁止する案への支持を表明した。しかし、過去最高水準に達した軽油の価格を抑える対策としては効果がなく、逆効果になりかねないとして、政権幹部からも批判が出ている。
9月22日、トランプは国連総会に出席した際、記者団に対し、輸出禁止を求める声に同調。「私もそうするよう求めている。軽油を国外に出すのはやめようと言っている」と述べた。
イラン戦争に伴う供給の混乱やその他の地政学的圧力を背景に、軽油の価格は過去最高を更新している。全米自動車協会(AAA)によると、全米平均価格は1年前の1ガロン=3.69ドルから大幅に上昇し、9月22日には過去最高の6.53ドルを記録。23日にはわずかに下落したものの、依然として記録的な高値圏にある。
全米の企業から警告の声が上がり、とりわけ農家への打撃が懸念されるなか、複数の共和党議員が軽油輸出の一時停止を求めている。国内供給を増やし、価格上昇を抑えられるとの主張だ。
だがトランプの発言を受け、クリス・ライト・エネルギー長官は9月23日、ロイターに対し、「軽油の輸出を禁止するという乱暴な手段は、間違いなく機能しない」と語った。
ライトは以前から、輸出を禁止すれば製油所が余剰分を出荷する先を失い、最終的にはアメリカのエネルギー安全保障を弱めると懸念を示してきた。ダグ・バーガム内務長官も先週、CNBCに対し、そうした政策が軽油価格を「実際に引き下げる」ことになるとは「まったく思わない」と発言。他国が報復措置に出れば、結果としてアメリカ国民が代償を払う可能性があると警告した。