戦略的リスク
習氏はトランプ氏との会談で、改めて「トゥキディデスの罠」に言及した。これは、台頭する大国と既存の大国との競争は戦争へと向かいやすいとする学術的な理論だ。習氏はそうした危険は「克服できる」と述べたものの、この言葉をあえて持ち出したこと自体が、世界2大国である米中の軍事衝突に対する懸念が、依然として両国関係に暗い影を落としていることを浮き彫りにした。
習氏は、協力すれば米中双方が利益を得られる半面、対立すれば双方が損失を被ると主張。軍同士の定期的な対話を行うとともに、危機を未然に防ぐための仕組みを強化するよう呼びかけた。これに対してトランプ氏は、両国が共有する歴史を引き合いに出し、協力の可能性を強調するとともに、共通の利益を追求すれば両国は多くのことを成し遂げられると述べ、第2次世界大戦で日本を相手に共闘した歴史にも触れた。
AI巡る見解の相違
両首脳はAIについて異なる見解を示した。
トランプ氏はAIについて、交流サイト(SNS)への投稿で「今のままの状態で置いておきたい」と述べ、新たな規制を課すのではなく米司法省に対応を委ねる考えを示した。中国も同じ立場だと主張した。
一方、習氏は24日、AIを主導する国として米中両国はその発展を管理する必要があると指摘。「われわれには、AIを良い方向に発展させ、管理する能力と責任があり、AIの発展が常に人間の制御下にあり、人々の福祉に資するものとなるようにしなければならない」と述べた。
24日夜にホワイトハウスで開催される晩餐会には、アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)、オープンAIのサム・アルトマンCEO、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOといったAI業界の大物が出席する見通し。