John Revill
[ベルン 24日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は24日、政策金利を0%に据え置いた。足元でスイスイフランが軟化する中、為替市場への介入は「必要に応じて」と、従来より姿勢を軟化させた。
金利据え置きは予想通り。
スイス中銀は2025年6月以降、政策金利を主要国の中で最も低い0%に据え置いている。
声明では、インフレについて、エネルギー価格上昇を主因に6月以降上昇したと指摘したが、「中期的なインフレ圧力の高まりは小幅にとどまっている。金融政策は、物価安定と整合する範囲内にインフレを維持し、経済発展を支える上で適切だ」とした。
アナリストからは、中銀が近く利上げに転じる兆候は乏しいという声が聞かれた。
ING銀行のシニアエコノミスト、シャルロット・ド・モンペリエ氏は「スイスのインフレは明らかに抑制されている。燃料価格の上昇が主な要因で、幅広い品目に波及しているわけではない。SNBが利上げする必要はない」と述べた。「他の中央銀行はより高いインフレに直面しているが、SNBにとっては問題ではない。SNBは当面、現行水準を維持する」と予想した。
<為替介入姿勢軟化>
中銀は、スイスフラン高に抑制するため市場介入の方針を示してきた。フランがここ数週間、対ユーロ、対ドルで下落する中、今回は、適切な金融環境を確保するため、必要に応じて為替市場で行動する用意があると表明。フランの急速かつ過度な上昇を抑えるため市場介入する姿勢を強めているとした従来に比べて、穏やかな表現にした。
据え置き決定後、フランは対ドルで0.827フランと2025年5月以来の水準に下落。対ユーロでも1カ月ぶりの大幅下落を記録した。
スイス国債2年物利回りは4ベーシスポイント(bp)低下し0.3313%となった。
<インフレ率、来年中に減速へ>
他国と同様、スイスでもイラン紛争の影響で燃料価格が急騰し、8月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が7月の2倍の0.8%に加速した。ただ、SNBが物価安定と定義する0─2%の目標レンジ内に収まっている。
中銀は声明で、インフレ率は第4・四半期に幾分上昇した後、エネルギー価格上昇圧力が和らぐのに伴い27年中に低下に転じると予想した。
併せて発表した経済予測では、26年第4・四半期と27年第1・四半期の平均インフレ率が1.2%で、いずれも前回の0.8%から引き上げた。27年第2・四半期以降は減速を見込む。26年のインフレ率は0.7%、27年は0.8%とし、従来の0.6%から上方修正した。
国内総生産(GDP)成長率は、第2・四半期の堅調を踏まえて26年の予測を従来の約1%から1.5─2%に上昇修正した。27年は約1.5%で据え置いた。
EFGアセット・マネジメントのシニアエコノミスト、ジャンルイジ・マンドルッツァート氏は「成長が堅調な中でもゼロ金利を続け、実質金利が一段とマイナスとなることを、いつまで適切と見なせるかが問題だ」と述べた。