睡眠に悩む人は膨大な数に上る。その原因は就寝前の悪習慣……だけではないようだ。
脳が眠れるかどうかは、安心感と密接に結び付いている。未解消のストレスや不安のせいで脳がスイッチオフできないと、覚醒する状態に陥りかねない。
睡眠の調節には神経科学や心理学、神経化学物質、生理学的なプロセスの「複雑な相互作用」が関係している。そう本誌に語るのは、認知神経科学者のユスフ・アスラムだ。睡眠には生物学的メカニズムが作用すると同時に、感情的要因も重要な意味を持つ場合があるという。
英ロンドン大学クイーンメアリー校で神経科学と生化学を専攻し、ニューロメカニクス(神経生体力学)を専門とする同氏によれば、睡眠調節を担う主な生物学的仕組みは、サーカディアンリズム(概日リズム)と睡眠・覚醒の恒常性維持機構だ。
「24時間周期の体内時計である概日リズムを統率するのは、視床下部にある視交叉上核」で、視交叉上核は明暗に反応して、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を調節しているという。一方、睡眠・覚醒恒常性維持機構は身体に必要な睡眠の量を監督している。
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