ネイティブ講師と週1回、英会話レッスンをするだけで英語で仕事ができるようになるという幻想は薄れ、各社とも現場のニーズに合わせた多様なコースを提供。コミュニケーション方略を含めた指導を行う企業研修も増えつつある。さらにITを活用し、自宅で受講できるオンライン英会話や隙間時間に学べる語彙アプリも人気を博している。

なかでも最近のキーワードはコーチングだ。英語教育やタイムマネジメントのノウハウを持つ専門のコーチがマンツーマンで付き、2~3カ月間にわたって徹底的に伴走する短期集中型プログラムが相次いで登場し、「駆け込み寺」として注目を集めている。

こうしたプログラムの中には、第二言語習得研究の成果を積極的に取り入れたものも多い(本誌26ページに関連記事)。効果的な学習順序からリスニングの鍛え方、単語の覚え方まで科学的に理にかなった指導により、TOEICスコアの大幅アップや海外赴任の実現などの成果が多数報告されている。

「漫然とやっていても何も変わらないと気付く人が増えているのだろう」と、短期集中型プログラムの1つであるプログリットを提供するGRIT社の岡田祥吾社長は言う。「語学はスポーツと同じ。楽して一流選手になれる方法はないが、効率のいい方法でたっぷり練習すれば目標に近づける」

決して楽な道ではない。それでも、仕事に英語が必要だという強いモチベーションがあることは中学・高校時代とは違う大人ならではの強みだ。

まずは中学レベルの基礎を確認したら、そこで立ち止まらず、一歩ずつ前へ。その努力はきっと報われるはずだ。イギリスがEUを離脱しても、アメリカの覇権に陰りが見えても、国際共通語としての英語の地位は当分変わりそうにない。そして、そこでの主役は非ネイティブ話者なのだから。

※記事冒頭のイラスト内
*1:Please see this. 「こちら(スライド)をご覧ください」と言いたいのだろうが、これでは極めて不自然だ。Please look at this slide.と言い換えよう。
*2:We are cheap. 「値段は下げられます」と伝えたいのかもしれないが、「私たちはケチです」という意味に。We can lower our prices.などがいいだろう。

<2019年4月9日号掲載>

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※この記事は本誌「日本人が知らない 品格の英語」特集より。詳しくは本誌をご覧ください。

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必要な単語は1500語のみ、複雑な時制や受動態は避け、短くシンプルな文で押し通す、比喩的表現や慣用句はご法度――そんなルールを掲げ、21世紀の国際コミュニケーションの新基準と期待を集めた新種の英語があった。IBM出身のフランス人実業家ジャンポール・ネリエールが提唱した「グロービッシュ」だ。
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