[アッシュビル(米ノースカロライナ州) 1日 ロイター] - 米ノースカロライナ州アッシュビルで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、中国を除く各国は1日、輸出への過度な依存を招き他国の成長を阻害する「非市場的」な政策やゆがみへの対処で一致した。

会合は中国に焦点を絞ったものとなった。一方、米政府は同時並行で開催されたG20の経済界要人と商務相の会合を通じ、人工知能(AI)規制について不介入の立場を訴えた。

ベセント米財務長官は、米国が関税を強化すれば、行き場を失った中国製品が各国市場に流入するという昨年の自身の発言に触れ、それが正しかったことが証明されたと主張。記者会見で「非市場経済が際限なく安価な輸出品を押し出し続けることは持続不可能だと考える。19カ国がこの問題への対処を望んだという事実は、問題の重大さを物語っている」と語った。

会合を締めくくるG20議長声明では、中国を除く参加国が、各国は不均衡を悪化させる「非市場的政策」を排除すべきとの認識で一致した。「特に、過剰かつ持続的な対外黒字を抱える国は、国内消費を抑制し、成長を輸出に過度に依存させる結果を招くゆがみを取り除くべきだ」と指摘した。

一方で、会合では米国と一部の欧州参加国との間でトーンの違いも見られた。会合は債務水準の上昇とインフレ圧力への懸念から世界的な債券売りが進む中で行われた。

<中国の大規模な輸出攻勢>

中国の大規模な輸出攻勢は世界経済を圧迫してきた。特に米国が中国製品に高関税を課し、中国製車両など一部を全面禁輸としたことで影響が強まっている。慢性的な内需の弱さを背景に、中国は電気自動車(EV)や半導体などの輸出を一段と強化。7月の輸出総額は前年比23.9%増え、欧州では対中輸入規制の強化を求める声が高まっている。

G20メンバーの中国は、産業補助金削減や経済再均衡を求める長年の要請にほとんど関心を示さず、人民元も大半の指標で依然大幅に過小評価されている。中国のEUに対する貿易黒字は2025年に前年比15%増の3606億ユーロに達し、 今年に入りさらに拡大した。

ドムブロフスキス欧州委員(経済担当)は、中国が不均衡の主要因だとする一方、是正には米欧双方にも役割があると指摘。ドイツのクリングバイル財務相はより直接的に、イラン戦争や米国の関税紛争も世界経済の重しになる不確実性の主因だとし、「不確実性は経済成長にとって毒だ」と述べた。

英国は不均衡是正に取り組みつつ中国と実務的な貿易関係を維持するとし、カナダのシャンパーニュ財務相は、他のG7諸国と同様に「明確なガードレール(防護策)」を設けて中国と関与していると説明した。国際通貨基金(IMF) のゲオルギエワ専務理事はロイターに、中国は行動の必要性を認識しつつ、米国の財政赤字是正など他国との協調を求めていると語った。

中国政府は重要鉱物加工での支配的地位を背景に、25年4月にレアアース(希土類)の輸出規制を導入。トランプ米大統領の関税への対抗措置だが、米国以外の企業にも影響が及んでいる。片山さつき財務相は8月31日遅く、重要鉱物の恣意的な輸出規制が世界経済を損なっているとG20各国に伝えたと述べ、この問題は議長声明にも盛り込まれた。

世界の債券市場では1日、売りが一段と深まり、日本の10年債利回りは1996年以来初めて3%に達した。エネルギー主導のインフレや金融引き締めの可能性、財政悪化への投資家の懸念が背景にある。ベセント氏は8月30日の植田和男日銀総裁との会合で健全な金融政策を求めたとされ、CNBCには「日本政府と日銀が円高につながる措置を講じると確信している」と発言。市場では、9月17─18日の日銀会合での利上げを後押しする狙いと受け止められた。

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