伝統と現代化のバランスに苦労

生まれ変わりに苦労する老舗ブランドは、ハーレーだけではない。イタリアの高級車メーカーのフェラーリは26年5月、初のフル電気自動車(EV)モデル「ルーチェ」を発表して、こてんぱんにたたかれた。元フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテツェモロでさえ、「神話を破壊する」と嘆いたものだ。

フェラーリの株価は急落し、1日で時価総額が約8%吹き飛んだ。そのメッセージは明白だ。フェラーリの顧客はライフスタイルに金を出しているのであって、性能よりもアイデンティティーを重視する。伝統的なV型エンジンの甲高いサウンドを取り除くことは、熱狂的なファンにとっては裏切りに等しいのだ。

伝統と現代化のバランスに苦労している点で、フェラーリとハーレーの悩みは同じだ。現代化は伝統重視の顧客を遠ざけるが、現代化を怠れば、顧客基盤は縮小する。

そこでスターズは今年4月、ブランドのアイデンティティーを再定義するプラットフォーム「RIDE(ライド)」を立ち上げた。原点回帰を明確にしつつ、若者にアピールするイメージ動画も発表した。

ハーレーは伝統をうまく活用できていないとバーネットは指摘する。「重要なのはブランドストーリーだ。若者はそういうものに引かれる。『父親みたいになりたい』という押し付け的なアプローチでは駄目だ。伝統を受け継ぎたい、伝統の一部になりたいと思わせることが重要だ」

仲間が集まる場所を楽しんでいる
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