原点回帰を掲げる

筋金入りのハーレーファンたちはオートバイらしいサウンドを楽しめない電動バイクにほとんど興味を示さず、環境意識の高い若年層はもっと安価なブランドを好むのだ。

26年3月、ハーレーはライブワイヤーとブランドを完全に切り離すことを決定。自社の得意分野に再び軸足を移すことにした。大排気量のVツインエンジンのアメリカンバイク、大型のツーリングモデル、そしてハーレーを世界屈指のブランドに押し上げた独自の価値感を好む顧客層に特化しようというわけだ。

ツァイツが25年10月に退任すると、後任には、アーティー・スターズが選ばれた。インドアゴルフ事業大手トップゴルフのCEOや、ピザハットのグローバルCEOとして、消費者向けブランドやフランチャイズを成長させた実績はあるが、バイク業界とは無縁の人物だ。

「(経営者として)重要なのは、顧客を理解していることだ。それを(スターズが)できているかどうか」とバーネットはこの人選に疑問を示す。「公開された動画を見ても、顧客がなぜバイクに乗るのかを、深く理解していないように見える」

今年5月、スターズは「バック・トゥ・ザ・ブリックス」と銘打った経営戦略を発表した。ミルウォーキーにあるハーレーの歴史的本社「ザ・ブリックス」にちなみ、原点回帰を掲げる内容だ。ツァイツ時代を否定し、より手頃な価格のバイク提供に注力する戦略でもある。 

政治的に厄介な問題にも巻き込まれる
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