Rachel More
[オスナブリュック(ドイツ) 26日 ロイター] - 独フォルクスワーゲン(VW)のオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は26日、事業再編計画の下で特に厳しい状況に置かれているとみられるエムデンとツヴィッカウの電気自動車(EV)工場2カ所で従業員に向けて演説し、両工場のコスト削減の取り組みを評価する一方、さらなる取り組みが必要だと訴えた。
VWが公表した演説の抜粋によると、ブルーメ氏は従業員に対し、「取り組みはまだ終わっていない。なぜなら、われわれは自らの過去の実績だけを基準にしているのではないからで、比較の対象は欧州で最も優れた拠点だ」と述べた。また、「現在の人件費は、欧州の同程度の拠点の2倍を超えている。操業コストも他の工場の方が依然として大幅に低い。これは批判ではなく事実であり、われわれは事実に基づいて自らを評価しなければならない」と語った。
一方でブルーメ氏は両工場について、将来的に自動車生産を確保できなかった場合でも、VWとして両拠点への関与を終えるわけではないと主張。「われわれは、パートナーや投資家とともに、新たな産業上の解決策を携えて、各拠点における産業としての将来性と雇用を守るために闘っていく」と語った。
VWは9月4日に開く監査役会で再編計画を協議する予定。ブルーメ氏は今週、監査役会を控えて各地の拠点を訪問し、再編計画への支持取り付けを図っており、工場閉鎖はあくまで最終手段だと説明している。
一方、VWの労使協議会を率いるダニエラ・カヴァロ氏はオスナブリュックで記者団に対し、関税、中国勢との競争、欧州の需要低迷によって生じている問題は、人員削減や拠点閉鎖では解決できないと述べた。「将来に向けたビジョンは、間違いなく多くの異なる要素から成っている。拠点や人件費、人員削減だけに焦点を当てることはできない」と語った。
オスナブリュック工場も存続が危ぶまれており、同工場の自動車生産は早ければ来年にも終了する予定。防衛産業との提携によって存続する可能性も残されているが、現時点では打開策を見いだせていない。
エムデンとツヴィッカウの両工場のほか、ハノーバーのキャンピングカー生産工場と子会社アウディのネッカーズルム工場は、現時点で2030年以降の事業計画が定まっていない。