食品安全の専門家の間では、中国の規制が強化されたという見方が一般的だが、食品をめぐる不祥事は後を絶たない。大抵の場合、コスト削減の目的で原材料の代わりに有害物質が混入される。

1月にはフランスの食品大手ネスレが、一部の乳児用粉ミルクについて世界規模で自主回収を強いられた。問題の粉ミルクは、セレウス菌由来のセレウリドという毒素が含まれていたことが調査で判明し、汚染源をたどった結果、中国の供給業者から調達したアラキドン酸(ARA)オイルが原因だったことが分かった。

2024年には、国有企業の中国貯備糧管理集団(シノグレイン)子会社が、長年にわたって食用油を燃料輸送用のタンクローリーで輸送していたことが発覚した。毎回のタンク洗浄も行われておらず、製造業者と規制当局の両方の監督の不備を見せつけた。

中国では習近平国家主席が2013年に就任して以来、食品安全を優先課題に掲げているが、長年の慣行や断続的な不祥事のため、国民の信頼は低い状態が続く。オーストラリアのシンクタンク、ローウィ研究所の資源紛争・環境ガバナンス専門アナリスト、ジュヌビーブ・ドネロン・メイは2024年の記事でそう記していた。

2015年には食品安全法が制定され、食品生産プロセスの標準化を目指す国家食品安全基準計画を策定。2016年はさらに踏み込んで、違反を「一切容認しない」姿勢を示し、基準の引き上げに向けた国家的なロードマップを打ち出した。

「改善はしているものの、依然として重大な抜け穴や課題が残る」とドネロン・メイは指摘する。「しかも、安全でない食品を流通させた場合の罰則は比較的軽い。摘発の強化や厳罰化が行われない限り、残念だが消費者は今後も安全でない食品の危険にさらされ続けるだろう」

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