華やかな職業から実務的な職業へ

現状では、まだクライアント側にAIを使うことへの抵抗感が残っているケースも散見される。先日、日系の総合コンサルから聞いた話だが、あるプロジェクトで社内チェックが甘く、AI感のあるアウトプットがクライアントの手に渡ってしまった際、「AIに高い金を払っているわけではない」と不満を呈されたという。

だが、AIはコンサルに限らず、広くビジネス現場に浸透し始めている。早晩、クライアントもAIの利用自体は受け入れざるを得ない。その際にクライアントが要求すべきなのは、成果物のどこまでをAIが、どこまでを人間が作り、誰が責任を持ち、その結果として何がクライアント側に返ってくるのか、の説明である。

AI時代に優秀なコンサルとは、単に頭のいい人ではない。AIを使ってより良い成果を出し、その中身を説明し、現場を動かし、なおかつ責任を引き受けられる人である。

以前は、コンサルといえば、カチッとしたスーツを着て、黒のアタッシェケースを持ち、頭が良く弁が立ち、きれいな資料を持ってくる人というイメージが強かった。しかし、これからは違う。AIを使って大量の下処理をこなしつつ、現場に入り込み、関係者を動かし、最後は自分の名前で責任を負う人でなければ価値が認められなくなるだろう。つまり、コンサルは華やかな知的職業というより、AIを背後に抱えた泥くさく実務的な職業へと近づいていくことになる。

松本 昌平(コンサル、お笑い芸人)

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら。
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