Emma Farge
[ジュネーブ 25日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長と赤十字国際委員会(ICRC)のスポリアリッチ総裁は25日、人間の関与なく人の殺傷が可能な「自律型致死兵器システム(LAWS)」が紛争で使用される事態が迫っているとして、使用制限に向けた早急な交渉開始を求める共同声明を発表した。
グテレス氏らは、自律型兵器の開発が進んでおり「危険な局面に近づいている」と指摘。「規制に向けた法的拘束力のある枠組みを早急に採択するため、交渉を開始する必要がある」と述べた。「各国は断固たる行動に移らなければならない」とも訴え、今年11月に予定される5年に1度のジュネーブでの会議での協議開始を呼びかけた。
人工知能(AI)を活用した半自律型兵器は、ウクライナやスーダン、パレスチナ自治区ガザ、ペルシャ湾岸地域の紛争で使用されている。懸念の高まりを受け、来週ジュネーブで新たなルールづくりの可能性を巡って協議が行われる予定だ。
完全自律型兵器は、軍艦の対ミサイルシステムなどで既に導入されている。ただ、人間を標的として使用された事例は確認されていない。人権団体は、AIを活用したシステムが適切に制御できず、負傷兵や降伏した兵士を認識できない事態などを懸念している。
LAWSに「国際人道法(IHL)」が適用される点で各国は合意しているものの、拘束力のある規制は整備されていない。ロシアや米国などは、既存の規制で十分だとして、新たな法的拘束力のある枠組みには反対している。