<民主党左派のリーダー格、オカシオコルテスはこれまでの急進左派の運動の「路線転換」を進めると宣言>

2026年の現在、アメリカの政局で注目すべきなのは、何と言っても11月に迫っている中間選挙です。下院は過半数を取れば弾劾の発議ができます。実際に弾劾して大統領を罷免するには、上院の3分の2が必要ですが、共和党内に造反の動きがあり、弾劾が成立する可能性は否定できません。トランプ大統領は、「主流派議員は自分を裏切る」と警戒し、トランプ派への候補のすげ替えに躍起になっています。

春先からこの8月まで、全国で上下両院議員候補および知事候補の予備選が続きましたが、共和党内では、トランプ派候補が現職を含む多くの主流派候補を蹴落としてきました。一方で、民主党では左派、なかでも「民主社会主義」を掲げる候補者が予備選における存在感を急速に高めています。

ちなみに、民主党内の左派は民主社会主義を自称するグループで、オバマ政権に対抗した「占拠デモ」をルーツとして、バーニー・サンダース上院議員、アレクサンドリア・オカシオコルテス(AOC)下院議員、ゾーダン・マムダニNY市長といった人々が先導してきた運動です。最近では、その勢力を一括してDSA(Democratic Socialists of America)と呼ぶことが多くなっています。

この8月には、アメリカ中部の五大湖地方でDSAの勢いが大きな話題となりました。まず、8月4日にはミシガン州における連邦上院議員候補を選ぶ民主党予備選で、エジプト系イスラム教徒で医師であるDSAのアブドゥル・エルサイード氏が中道派のヘイリー・スティーブンス連邦下院議員を1.0ポイント差で破りました。

民主党予備選で左派が次々勝利

また11日にはミネソタ州で同じく連邦上院議員候補を選ぶ民主党予備選が女性候補同士で行われ、中道やや左寄りのアンジー・クレイグ連邦下院議員に対して、DSAのペギー・フラナガン副知事が、大差で勝利しました。

同じ11日には、ウィスコンシン州の知事候補を選ぶ予備選が行われ、DSA内でも特に左寄りのポジションに立つ韓国系2世の女性候補フランセスカ・ホン氏が注目されました。こちらは、中道派の候補と大接戦をした結果、敗北しています。

このホン氏の場合は、警察予算の停止、刑務所の廃止など極端な政策が問題となり、最終的にはAOCが支持しませんでした。最後は「アメリカの心である感謝祭を憎んでいる」という誹謗中傷へのダメージコントロールに失敗して落選しましたが、それでも、若者を中心とした熱狂が彼女を支えていた面は明らかでした。

一方で、ミシガン州の場合は、2024年の大統領選でハリス候補がイスラエルを支持していることに反発したアラブ系と若者票が離反したことが、同州におけるトランプ氏の勝利につながったと言われています。これに「懲りた」民主党支持者がイスラム系の候補であるエルサイード氏を選んだのはある意味合理的ではあります。

無党派中間層には忌避される?
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