各国の健康ガイドラインは長年、無脂肪や低脂肪の乳製品を推奨してきた。全乳(成分無調整牛乳)やチーズ、ヨーグルトに含まれる飽和脂肪酸がコレステロール値を上げ、心臓に悪影響を及ぼす恐れがあると警告している。

しかし、新たな研究がこれに疑問を投げかけている。成人を対象に、全脂肪乳製品を12週間にわたって毎日摂取してもらったところ、体重や体脂肪、コレステロール値に悪影響は見られず、むしろ健康上のメリットが得られたのだ。

トロント大学のハーヴェイ・アンダーソン教授が率いたこの研究は、学術誌『ジャーナル・オブ・ニュートリション』に掲載された。それによると、全脂肪乳製品を1日3食分摂取したグループは、乳製品をあまり摂らない食事を続けたグループと比較しても、体重や体脂肪、コレステロール値、インスリン抵抗性に大きな増加は見られなかった。

また、血圧が改善し、カルシウムやタンパク質、ビタミンDの摂取量も増えていた。

アンダーソンは、乳製品の構造が今回の結果を説明する可能性があると言う。

「乳製品にはカゼインとホエイという2種類のタンパク質が含まれており、それらが脂質と結びつき、さまざまな栄養素が混ざり合っている」とアンダーソンは説明する。

さらに、この複雑な物理的構造のおかげで乳製品の栄養素はゆっくりと安定して体に供給されるため、単一の栄養素を足し合わせた以上の健康効果をもたらすという。

全乳製品に対する思い込みを覆す
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