Florence Tan Siyi Liu

[シンガポール 18日 ロイター] - サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコは先週、ホルムズ海峡内で原油の積み出しを再開し、複数のタンカーが積み込みを待っていることが、海運データと業界筋の話で分かった。同社はスポット市場で重質原油を販売している。

サウジは17日、アジアの一部製油会社に対し、今月アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ沖で船から船に積み替える「瀬取り」で引き渡す原油の販売を提示した。

サウジ産原油の輸出再開により、供給が逼迫している重質油の需給が緩和する可能性がある。

大型原油タンカー(VLCC)3隻は、12─16日にジュアイマとラスタヌラの両ターミナルで、それぞれ200万バレルの原油を積み込んだ。

船舶追跡会社ボルテクサとケプラーのデータによると、両港での積み込みは3週間ぶり。3隻が積載した原油の油種は確認できなかった。ケプラーの暫定データによると、さらに6隻のVLCCが今月後半、ホルムズ海峡内でサウジ産原油を積み込む可能性がある。

複数のトレーダーによると、サウジアラムコは韓国の海運大手シノコー(長錦商船)の船舶に加え、サウジのタンカーをホルムズ海峡の通航に投入する可能性がある。

LSEGが18日に公表した船舶データによると、サウジを拠点とする海運会社バーリが保有するVLCC7隻がUAEとオマーンの沖合に停泊しており、さらに2隻がフジャイラに向かっている。

<シディケリルからの輸出>

ただ紅海ではイエメンの親イラン武装組織フーシ派が海上封鎖を実施していることから、サウジの原油輸出は引き続き制限されている。

サウジアラムコは代替策として、エジプトの地中海沿岸にあるシディケリル港から積み出す追加の原油も提示している。ただ、その量は海上封鎖前にヤンブーから輸出していた日量400万バレルの一部に過ぎず、輸送費の上昇と航海の長期化が購入の妨げとなっている。

ケプラーのデータによると、今月はシディケリル港からアジア向けに中東産原油を日量約67万バレル積み出す見通し。過去3カ月は積み出しがなかった。

ボルテクサの中国市場アナリスト、エマ・リー氏は「シディケリルからアジアへの供給はうまく機能していない可能性が高い。アジアの顧客、少なくとも中国の顧客は、航海の長期化と運賃の高さに不満を抱いている」と述べた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。