気温や湿度が高くなる夏場は食中毒のリスクが高まるが、その原因の多くは、台所でのちょっとした習慣を見直すだけで防げるかもしれない。
食中毒トラブルに詳しい米インディアナ州の人身傷害法律事務所「ワグナー・リースLLP」の共同設立者兼マネージングパートナーのスティーブ・ワグナーは、食材の洗い方や保存、温め直しに関する「思い込み」のせいで入院を余儀なくされる人が後を絶たないと明かした。
「袋入り野菜に表示された『洗浄済み』という言葉をうのみにして食中毒になった人を何人も見てきた。あの表示は、あくまで袋詰めされる前に洗ったという事実を示しているにすぎない」とワグナーは言う。「表示から受ける安心感と、実際の安全性にはギャップがある。そこが落とし穴になる」
間違い1.「洗浄済み」のカット野菜や袋入り野菜は洗わない
ワグナーによると、事前に洗ってあるからといって、家で洗わなくていい理由にはならないという。
「洗ってあるのはありがたいが、自宅でもう一度洗う手間を省いていいわけではない」とワグナーは指摘する。「袋入りの葉物野菜やサラダ用ミックスは常にリスクの高い食品の上位に入る。今起きている集団感染を考えると、なおさらもう一度洗うことが重要だ。洗浄後でも、袋詰めや流通の過程で菌が付着する可能性があるからだ」
ワグナーは、レタスは丸ごと買い、念のため外側の葉を2〜3枚取り除いてから、残りを流水でしっかり洗うことを勧める。
間違い2. 食材は水で軽く流すだけ
水で軽く流すだけでは、すべての病原体を除去できるわけではない。ワグナーはその代表例としてサイクロスポラを挙げる。
「ただの水洗いでは落とせない、あるいは死滅しない病原体もある。外殻が水洗いに強いサイクロスポラはその典型だ」とワグナーは説明する。「リスクを確実に避ける唯一の方法は、安全な温度までしっかり火を通すことだ」
感染が広がっている時期は、ハーブの葉を1枚ずつ分けて洗ったり、表面の硬い野菜や果物はブラシでこすり洗いしたほうがいいという。また、リスクの高い野菜や果物は生食を避け、加熱調理するのが賢明だ。