Erin Banco

[ワシントン 13日 ロイター] - 米政府が過去1年にわたり、イランがトランプ米大統領の暗殺を計画しているとの警告をイスラエルから複数回受けていたことが、米政府当局者1人と元当局者2人の話で分かった。こうした警告の中には、トランプ氏が7月にトルコのアンカラで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した際の情報も含まれており、イラン情勢を巡る緊張が高まる中、イスラエルの情報機関がトランプ政権の意思決定に影響を及ぼしている可能性が示唆されている。

ロイターが取材した当局者らによると、トランプ大統領に対する暗殺計画の警告は米国の情報機関に伝えられるが、一部はイスラエル当局者からホワイトハウス高官に直接伝えられた。こうした情報には、狙撃による暗殺計画や、大規模な公開イベントで刃物を用いた襲撃を実行する人物を勧誘する計画の可能性などが含まれていたという。情報提供は2025年6月の12日間に及んだ米国のイランに対する攻撃に先立って始まり、今年2月末に米国がイスラエルと共にイランに対する軍事行動に踏み切る決定を下す前に一段と頻繁になった。

こうした中、最も詳細な警告は7月のNATO首脳会議を前に伝えられた。イスラエル当局はホワイトハウスに対し、トランプ大統領がNATO首脳会議に出席するために大統領専用機「エアフォースワン」で移動する際、イランが肩撃ち式ミサイルを用いて暗殺を試みる可能性があることを示す情報を提供したという。

米情報機関はこれまでも、イランが2020年にトランプ氏の命令で殺害されたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官への報復を望んでいるとの見方を示してきた。ただ、ロイターが取材した当局者らは、米中央情報局(CIA)は昨年初め以降、イスラエルが米国に伝えたトランプ氏暗殺に関する個別の脅威情報の一部について裏付けを取ることができなかったとしている。

7月のNATO首脳会議の件でも米情報当局は独自に確認することができなかったと伝わっており、イランの脅威を巡る認識で米国とイスラエルの情報機関の間に隔たりがある可能性も示されている。

NATO首脳会議を巡る件については、開催国トルコの当局者も、トルコの情報機関がトランプ氏の生命に対する脅威を巡るイスラエルの主張を裏付ける証拠を把握していなかったという。この情報は米国と共有されたものの、ホワイトハウス当局者と米大統領警護隊(シークレットサービス)は万全を期すため対策を講じ、トランプ氏をエアフォースワンから別の航空機に移して出国させるという異例の作戦が実施された。

このほか、米情報機関は今年に入ってから、イランが核兵器を積極的に開発していないとの判断を下したものの、イスラエルはイランの脅威は差し迫っていると主張。米情報機関の分析にもかかわらず、トランプ大統領は2月末にイランに対する軍事攻撃に踏み切った。ロイターはこれまでも報じているが、トランプ氏は、イランが過去に自身の暗殺を試みたとするイスラエルが提供した情報も軍事攻撃開始の判断材料の1つとして考慮した。

在米イスラエル大使館の報道担当者は、イスラエルが情報共有を通して米国の対イラン政策に影響を及ぼそうとしているとの見方を否定。ホワイトハウスとCIAはいずれもコメントを控えている。

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