[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は11日公表した四半期金融政策報告で、中東情勢の緊張を背景にインフレリスクは依然として上振れ方向に傾いていると警告した。一方で、金融環境の引き締まりが続く中、物価上昇圧力の鈍化はこれまでの想定よりやや早まるとの見通しを示した。
中銀は今回の報告書で、2028年までの予測を小幅に修正するにとどめた。経済成長率見通しをやや引き上げ、インフレ率見通しは若干引き下げた。失業率は現在の4.4%前後で安定した後、4.8%まで上昇するとみている。
労働市場が予想以上に緩んでいることを踏まえ、需要の伸びの鈍化により27年に経済が均衡状態に達すると予想した。
「経済は従来の予想よりも幾分早期に均衡に達する公算が大きいと判断しており、これが経済のインフレ圧力の緩和に寄与する」とした。
住宅市場は想定以上に弱含んでおり、家計消費や住宅投資の重しになる可能性が高い。中銀は今後数カ月で住宅向け融資の伸びがさらに鈍化すると予想している。
企業への聞き取り調査では、企業が高止まりするコストインフレになお苦慮しているものの、消費者の価格感応度が高まり、販売価格への転嫁が抑制されつつあるとの声が増えている。
こうしたことから、中銀はインフレ率が27年後半に2─3%の目標レンジに低下すると予想。消費者物価指数(CPI)上昇率は26年末までに3.6%、27年末までに2.6%に低下する見込みとした。
中銀が重視する基調インフレ指標のトリム平均値は、第2・四半期の3.6%から年末までに3.3%に鈍化し、28年半ばまでに2.4%に低下する見込み。
労働市場はさらに緩和する見通しで、失業率は28年半ばに4.8%でピークに達すると予想。従来見通しの4.7%から引き上げた。
借り入れコストの上昇を背景に、経済成長率は年末までにトレンドを下回る1.4%に減速するとみられている。データセンター向け企業投資の急増や人口増加の加速を踏まえ、従来予想よりわずかに引き上げられた。
中銀は今後2年間の政策金利が平均4.4─4.5%になるとの技術的な前提を用いた。これは市場の織り込みと一致している。