Jacob Bogage Ahmed Aboulenein

[ワシントン 10日 ロイター] - トランプ米大統領は10日、子どもに推奨する予防接種を11種に削減することを求める大統領令に署名した。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「即時発効で、最も深刻で危険な病気に対する11種類のコアワクチンのみを子どもの予防接種推奨の『ゴールドスタンダード』とする。加えて、はしか・おたふく風邪・風疹の混合ワクチン(MMRワクチン)についても認めるが、これは分割されることが望ましい」と述べた。

大統領令によると、MMRワクチンについては接種を3回に分けることが奨励される。

トランプ氏は、米国は他国と比べて多くの小児向けワクチン接種を推奨しているとし、「一部の欧州諸国と比べても2倍もの接種回数を推奨している」と語った。

ワクチン懐疑派のケネディ厚生長官は、小児用ワクチンが自閉症を引き起こすと主張し、米国のワクチン政策の見直しを主導。今年1月には17種のうち6種に対するワクチン接種を推奨対象から外す形で予防接種スケジュールを縮小したが、連邦裁判所は3月、差し止めを命じる判決を下していた。今回の大統領令は、ケネディ長官によるワクチン政策見直しを改めて後押しする格好となる。

トランプ氏はホワイトハウスでの署名式で、米国の自閉症診断が増加していると繰り返し言及した。

トランプ氏は「自閉症の問題がほぼない集団もある」と発言。「そうした集団はワクチンの世界にあまり縁がない。だから何かがおかしいということだ」と語った。

公衆衛生の専門家らは、予防接種スケジュールは数十年にわたる科学的知見に基づいて策定されていると指摘。推奨されるワクチンが減れば、予防可能な疾病にかかる子どもが増える恐れがあると警鐘を鳴らしている。

大統領令は、司法省に対して州のワクチン法に異議を申し立てるよう指示。州が定める学校でのワクチン接種義務を巡る連邦政府と州政府の対立を激化させる内容となっている。

ワクチン製造企業も大統領令を批判した。米製薬大手メルクは、MMRワクチンの接種を3回に分けることに何らかの利益があることを示す発表済みの科学的証拠はないと指摘。個別の成分を使用すると注射回数が増え、接種の遅延や漏れにつながる可能性があるとの見解を示した。

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