[ロンドン 10日 ロイター] - ロシア最高裁判所は10日、改革派野党「ヤブロコ」について、9月に実施される議会選挙への参加を認めない判断を下した。ウクライナ侵攻に反対する立場を公然と示している唯一の公認政党が選挙から排除されることになる。
ヤブロコを巡っては、政権寄りの保守政党「ロジナ(祖国)」が、ヤブロコが西側勢力からの支援を含む未申告の選挙支援を受けていたなどと主張し、同党の選挙参加資格の取り消しを求めて提訴。最高裁はこの訴えを認めた。ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始してから4年余りが経過する中、今回の最高裁の判断で反戦的な見解に対する当局の不寛容な姿勢が改めて浮き彫りになった。
ヤブロコのルイバコフ代表は「ヤブロコを選挙から排除することは、当局にとって不都合な問いを投げかける人々との対話を拒否することを意味する」と述べ、判断を不服として訴える考えを表明。ロジナの主張を裏付ける証拠は存在しないとし、今回の訴訟は競争相手を排除しようとする政治的対立勢力によるもので、思想の自由に対する憲法に違反する攻撃だと非難した。
ロシアでは珍しく当局への抗議の意思を示す動きとして、数百人規模の支持者らが裁判所の前に集まった。参加者の多くは若者で、警察が周囲を警戒する中、一部の人はロシア語で「リンゴ」を意味する党名にちなみ、リンゴを手に持ってヤブロコに対する支持を示した。
ルイバコフ代表は「平和と自由を求める声は、当局の想定を大幅に上回っている」としている。
ヤブロコはソ連崩壊後のロシアで有力なリベラル政党の1つだったが、現在は地方議会でわずかな議席を保有するにとどまり、連邦議会で議席は持っていない。9月の選挙後も、プーチン大統領を支持する与党「統一ロシア」と親政権系政党が引き続き議会で優位を維持するとみられている。
政府が反対意見を厳しく統制しているロシアでは戦争への国民の反対意見を正確に把握するのは難しくなっているが、ロシアの独立系世論調査機関「レバダ・センター」によると、ウクライナでの軍事行動を支持すると答えたロシア人の割合は7月に66%となり、2022年2月以来の低水準を付けた。レバダ・センターは、スパイと同義の「外国の代理人」に指定されている。
ロシア当局は国家安全保障上の利益を理由に、戦時下の検閲法を強化して戦争に反対する人への締め付けを進めており、多くの活動家や独立系メディアが国外への移住を余儀なくされている。反戦を掲げて議会選挙への立候補を目指していたボリス・ナジェジディン元下院議員は先月「外国の代理人」に指定され、今月初めにロシアを出国した。