<イギリスでは1965年に死刑が事実上廃止された。そのきっかけとなった議論を呼ぶ3件の裁判については学校でも教えられた>

僕たちはかつて、イギリスで1965年に死刑が事実上廃止される流れをつくった、議論を呼ぶ3つの事件について学校で教えられた。

明白な冤罪だったのが、妻と娘を殺害したとして1950年に死刑が執行されたティモシー・エバンスの事件だ。

後に、エバンスの部屋の階下の住人――エバンスはその人物こそが犯人だと訴えていた――が、女性を狙う連続殺人犯だったことが判明した(その男はそれから3年後に処刑されたが、憤る者は誰もいなかった)。

エバンスが実は家族殺しの犯人であり、名指しした人物もたまたま殺人犯だった……なんてことがあるとすれば、明らかに史上最大級の偶然だろう。

問題は、エバンスが当初、警察に自白したとされていることで、その供述は混乱し、内容も二転三転していたのに、警察はそれをきれいに整理し、明確な犯行の自白として証拠にした。一方、頭の切れる隣人のほうは、一貫性のある虚偽の筋書きを語り、それが信じられた。司法制度が判断を誤り、しかも刑を二度と取り消せなかった典型的な事件だった。

デレク・ベントリーの強盗殺人事件では、常識的な論理が通用しなかったように見える。事件当時、彼は18歳だったため成人として扱われたが、発達上の問題を抱えており、「精神年齢」は実年齢を大幅に下回っていたとされる。

一方、この強盗殺人事件で実際に警察官を射殺したのは、16歳の共犯者クリストファー・クレイグだった。クレイグは少年として裁かれ、懲役10年の刑を言い渡された。どう考えても公平には思えなかった。

見せしめの判決?
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