Gertrude Chavez-Dreyfuss

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米マネー・マーケット・ファンド(MMF)の運用担当者が、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の先行きに対する不透明感を背景に、運用資産の満期を短期化する動きを強めていることが、最新の業界データで明らかになった。

調査会社クレーン・データによると、業界全体を広く対象とする指標として知られる「クレーン・マネー・ファンド・アベレージ」の加重平均満期(WAM)は10日時点で38日となり、1カ月前の42日から減少した。主要MMFを対象とする「クレーン100マネー・ファンド指数」でも、7月のWAMは40日で、6月の44日を下回った。

MMFは通常、金利上昇を見込む際に運用期間を短縮する。より早期に償還されるため、FRBが利上げした場合でもより高い利回りの商品へ資金を振り向けやすくなるからだ。一方、利上げ前に3カ月物や6カ月物の米財務省証券(Tビル)を多く保有すると、その後の金利上昇局面で資産が相対的に低い利回りに固定されるリスクがある。

ただこうした慎重姿勢の中で、MMFへの資金流入は続いている。米投資信託協会(ICI)のデータでは、MMFの運用資産残高は7月第1週に約8兆ドルと過去最高を更新した。

運用担当者は流入資金の一部を、金利動向に応じて利払いが変動する変動金利債(FRN)に振り向けている。FRNタイプの米国債の保有額は6月末時点で前月比320億ドル増の5230億ドルで、過去最高を記録した。

MMFはレポ(買い戻し条件付き債券取引)の活用も拡大。6月30日時点のレポ残高は680億ドル増の3兆0600億ドルで、保有資産全体の37.2%を占めた。

もっともアナリストによると、翌日物レポの魅力は足元でやや低下している。FRBの準備金管理に伴って供給された資金が短期金融市場に流入し、担保不足からレポ金利が押し下げられているためだ。

TDセキュリティーズの米金利戦略を統括するジェナディー・ゴールドバーグ氏は「MMFは難しい立場に置かれている。利上げリスクを考慮すると満期は短くしたいが、レポなど超短期ゾーンの利回りは低迷している」と指摘した。

そのため運用担当者は、低い翌日物利回りを受け入れるか、あるいは満期を延ばして将来の金利上昇時に低利回りに固定されるリスクを取るかの選択を迫られているという。

こうした運用方針の変化を受け、MMFはTビル保有を減らしている。クレーン・データによると、6月末時点のTビル保有額は前月比960億ドル減の3兆3000億ドルとなった。それでも依然として総資産の39.9%を占める最大の投資対象だ。

ウェルズ・ファーゴのマクロ・ストラテジスト、アンジェロ・マノラトス氏は、MMFが長めの満期を持つTビルへの投資を抑える一方、レポへの配分を増やしていると分析した上で「金利上昇局面に備えた防御的なポジション構築だ」と説明した。

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