それでもG7の中で日本は自給率は依然、最低レベルにとどまっている。現在、全体の10%程度でしかない再生可能エネルギーをもう少し高めないといけない。日本は自然条件が厳しく太陽光も風力も一気には増やせないのだろうが、できれば2割にはしたい。
今回のエネルギー危機では、各国とも再度、再生エネルギーに注力しているし、EV需要も強まっている。ドイツでは「憎きイーロン・マスク」のテスラの5月の売れ行きは300%増と報道されている。
石油とガス・LNGが武器化されていくなかで、再エネがエネルギー脱炭素だけでなく安全保障のカードとして期待されるようになってきた。 再生可能エネルギー20%、原子力20%、合わせて国産エネルギーが40%になれば、エネルギー安全保障はかなり進み、相当程度レジリエントな(耐久力がある)経済になる。
──やはり、福島第一原発事故は日本のエネルギーの安定とエネルギー安全保障にとって決定的にマイナスだったのか。改めて「フクシマの悲劇」は、どこに問題があったのか。
『戦後敗戦』でも福島第一の故吉田昌郎所長の聴取書を読み解きながら、再度、「フクシマ」の事故と危機対応を検証し、「原発敗戦」の根本原因を解明した。原子力発電については推進側の「原子力村」の論理が優越し、「絶対安全神話」のとりこになってしまった。
あまりリアルに事故に備えようとすると「住民に不必要な誤解と、心配を及ぼす」として退けられる。確率論的にリスクを国民に伝え、その上で共に事故を起こさないように備え、事故の際の対応に臨む相互の信頼関係ができていなかったところに問題があった。