──戦後は平和で経済も発展した。しかしその裏面には危うい部分があり、そこを分析すべきということか。
戦後、成し遂げたことも多い。平和と繁栄を手にすることができた。ありがたかった。ただ、今のやり方ではこれまでの平和と繁栄を維持できないという危機感を覚える。ここには世代の問題もある。私たちは戦後の「長い平和」の、いわば「特権的な平和環境」にどっぷりつかり、恩恵を受けてきた恵まれた世代だ。
しかし冷戦終結後の世代は、ずっと「負け戦」という感覚を持っている人が多い。そして、これからの世代にとっては、日本の置かれた状況はさらに過酷になる恐れが強い。彼らの問題や関心に正面から応え、改めて「失われた時代」の課題設定をする必要があると思う。
──本書では、石油危機、プラザ合意、半導体敗戦、湾岸戦争、ネット敗戦、尖閣ショック、そして福島第一原発の事故という7つの危機を取り上げた。なぜこの7つだったのか。
基本的に私が直接、正面から取材し、強い関心を持ってきたテーマに絞った。一つは国際秩序とその中での日本の立ち位置に関わるテーマを念頭に取り上げた。国際秩序のありようは、日本の生存条件や平和の条件を規定するところが大きいので、これらが揺らぐと日本には地政学的、地経学的な負荷がかかりやすい。
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