データはあくまでサポート役
27万5000人もの観衆を集めるレースを控え、アルボンにドライバーが耐える試練について聞いてみた。「マシンはドライバーの体格に合わせて造られている。シートにぴったりはまり、ほとんど動けない」と、彼は言う。「閉所恐怖症になりそうだよ。だけど、きつければ、きついほどいいんだ。体が動くのはまずい。頭が不必要に動いたり膝が動いたりすれば、それだけで体力を奪われる」
マシンの調整には、データと同様、ドライバーの感覚的なインプットが欠かせない。00年代初めには、マシンの性能をモニターするセンサーは数十個にすぎなかったが、今ではタイヤ1本に500のセンサーがあり、マシン1台に5万5000のデータ送信回路が張り巡らされている。
「データは僕たちドライバーのサポート役だ。人間には分からなくても、データには分かることがある」とアルボンは言う。
「例えば、リアウイングが機能しているかどうかは、僕たちには判断できない。それにはデータの解析が必要だ。一方で、マシンの感触を伝えることができるのは僕たちだ。安定しているか、思っているように反応するか、バランスは取れているか」
「何かがおかしいと感じるときもある。レーシングカーには無数の可動部分がある。人間とマシンの共同作業だ。ただし、データが間違った方向に導こうとするときもあるから、そこは注意しないと」
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