安定した業績と上昇基調の株価
5月に発表された今期(2027年3月期)の通期業績予想で、雪印メグミルクは、売上高で前期比約5%増の6450億円、営業利益は同15%増の210億円という力強い増収増益を見込んでいます。
国内外での需要拡大を背景に「乳製品」や「飲料・デザート類」などの値上げ効果を織り込んだほか、ブランドマネジメントと効率的な広告宣伝により「定期顧客数」の大幅な拡大を図り、利益拡大を目指す計画です。海外事業については、収益が悪化した粉ミルク事業の戦略転換、チーズ事業の構造改革、機能性素材事業の拡大加速によって、利益の創出を狙います。
安定した業績と増益基調が見込めるのは、価格改定の進展や、利益率の高い機能性素材の販売成長が寄与するからです。現行の中期経営計画「ネクストデザイン2030」では、神戸工場や川越工場の生産終了など事業資産の構造改革を進め、事業戦略の転換にも取り組んでおり、中長期での収益力の改善が期待できます。
株価は、緩やかな上昇基調です。足元では、相場を牽引してきたAI関連やハイテク株に利益確定の動きが出ており、食品株をはじめとする業績が景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄への資金シフトも株価の支えとなっています。
さらに、今期の予想PERは約9倍、PBRは0.9倍台にとどまるなど、強い割安性も示しています。約6年ぶりの高値圏にあるなかでも過熱感はなく、引き続き成長性や割安さに着目した買いが期待できそうです。
[筆者]
佐々木達也(ささき・たつや)/証券アナリスト、金融ライター
金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。
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