良くも悪くも、自らのビジョンに従って国を変える長期目標を実行に移すような大物政治家は、このところ現れていない。
ハイレベルの公職経験があまり豊富でない首相が続いていることも、理想的とは言い難い。
近年の基準で見れば、バーナムはまだかなり経験があるほうで、2000年代後半に数年間、閣僚ポストを複数務め、マンチェスター市長としても長く在任している。
問題の1つは、退任する首相が「一代貴族(終身の貴族院=上院議員になれる)」の候補者を「指名」できることだ――その後に国王によって承認される。この仕組みは以前から疑わしいものだった。忠実な支持者に上院での安楽な閑職を与えるために活用されて(いや、むしろ悪用されて)きたことは明らかだ。
7年に1度程度ならまだありかもしれない。でも既に費用がかさみ、定員過剰で、選挙で選ばれてもいない上院(現在の上院議員は775人)に、こんなにしょっちゅう人員が追加されているとなると腹立たしくなる。
元首相でサッカーチームができそう
リズ・トラスは新たに32人の一代貴族を生み出した。彼女の短い在任期間で換算すると3日に2人ペースという驚異的な「比率」だ。これはどう考えてもおかしい。
ブレグジット支持派が唱えた論理の1つは、EUの「民主主義の赤字」(それらしく見えても市民の意思が政治に反映されない状態)と、EUの疑わしい慣行だった。残留支持派が「なら、自国の制度を見てみろ!」と言い返したのももっともなことだ。
大局的に見ればそんなに多額ではないものの、それでも新たな一代貴族には公費がかかるし、元首相たちにも公費がかかる(彼らは年間最大11万5000ポンドを請求できる)。だから僕たちには、彼らがしていることに意見する権利がある。まもなく「存命中の元首相」は9人になる。もう少しでサッカーチームが結成できそうな人数だ。あまり強いチームじゃなさそうだが。