アメリカ民主主義を誰よりも深く理解したフランスの思想家、アレクシス・ド・トクヴィルは、1831年7月4日の米独立記念日をニューヨーク州オールバニで過ごした。町の様子を面白がって、やや上から目線で眺めながらも、深く心を動かされていた。

トクヴィルは、市民民兵と職能団体が入り交じる厳粛なパレードに加わった。町を練り歩いた先は、世俗国家の独立を祝う場所としては何とも似つかわしくない教会だった。

しかし、個人の自由という理念に対する人々の思いと、独立宣言の朗読に彼は感銘を受けた。

「その場にいる全員の心を電流が走り抜けたかのようだった。決して芝居がかった演出ではない。独立の約束を読み上げる行為には……偉大な何かがあった」

だが建国250周年を迎える今、アメリカ人の69%は国の針路に不満を抱き、59%は「アメリカの最良の時代は過ぎた」と考え、57%は内戦へ向かいつつあると恐れている。

トクヴィルはアメリカが模範的な民主主義国となった理由を、4つの要素で説明できると考えた。

第1に、建国期のアメリカ人は幸運だった。封建的な過去や貴族階級に縛られない社会をつくることができた。出生による障壁はほとんどなく、ほぼ無限に広がる土地があった。そして独立宣言にあるように「全ての人間は平等につくられている」。

第2にアメリカ社会は、建国期のニューイングランド地方に入植したピューリタン(清教徒)特有の習俗によって形作られた。文化的一体性と宗教が独自に混ざり合ったことが、重層的で強靱な自治を生み出した。

富が一部に集中する実質的な「貴族制」
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