オランダ南東部ヘールレンで見つかった小さな鉛板。その正体は「呪いの鉛板」だった。

【写真】古代の軍駐屯地から発見された「呪いの鉛板」

ハイデルベルク大学は2026年6月17日、パピルス学研究所の研究者らが、2世紀のものとみられる呪詛板の碑文を解読したと発表した。

呪詛板は縦9.3センチ、横4.8センチほどで、ヘールレンの旧ローマ軍駐屯地コリオヴァルム跡地から出土した。

この呪詛板には、北ヨーロッパの呪詛板に多いラテン語ではなく、エジプト風の古代ギリシャ語で、神々や悪魔を呼び出す文句が刻まれており、神々に4人の奴隷の男女を罰するよう命じる内容、あるいは彼らに有利な行動を取るよう命じる内容が刻まれていたという。

呪詛板は、ラテン語でデフィクシオ、ギリシャ語でカタデスモイと呼ばれる。古代人にとっては、裁判の相手、競技の敵、恋敵などを「束縛する」ために使った実用品だったという。

呪詛板には3つの異なる文字群が含まれていた。注目すべきは、古代ギリシャ語で書かれたエジプト風の様々な神々や悪魔への祈りが刻まれていた点だという。

また、この呪詛板には3つの魔術的シ​​ンボルが含まれている。パピルス学研究所の学術ディレクターであるロドニー・アスト博士は、これらは超自然的な力に望むメッセージを伝えるために使われた可能性が高いと指摘する。

他にも、仲間の奴隷とされる2人の男性と2人の女性の名前が刻まれており、研究者は「この石板は、これら4人の奴隷に対する呪いとして、あるいは彼らの名において名もなき人物に対する呪いとして使われた」と推測している。

さらに、ラテン語の名前を持つ男性2人とギリシャ語の名前を持つ女性2人が含まれているという異例の構成について、パピルス学研究所の研究員であるジュリア・ルゴバヤ博士は「2人の女性のうち1人が碑文の作者であり、ローマ時代のエジプトから、このような呪いを通して神の力と交信できるとされる能力を持ち込んだ可能性は否定できない」と述べている。

なお、この呪詛板は、将来的にヘールレン博物館に展示される予定となっている。

【写真】古代の軍駐屯地から発見された「呪いの石板」
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