また、ベネズエラからの移民で苦労人だったという言語学者が語っていたのは、
「思春期の娘っていうのは、やっぱり父親から見たら難しいよね。本当に大変な時期だと思うし、たぶん、本人がいちばん辛いんじゃないかな。親にできることは夫婦が信頼し合っていることを見せるぐらいだよ。でも、これ、結構大切なんだよね」
ということでした。どちらも、なかなか含蓄のある言葉だと思います。
2番目は、静かに見守るというのとは反対で、父親の「好きなこと」を娘に教え込み、一緒に行動するという方法です。音楽や美術、料理などのケースもありますが、アメリカの場合だと圧倒的にスポーツになります。
娘にソフトボールを教える野球好きのお父さんは多いのですが、女子サッカーは、アメリカン・フットボール好きの父親が、女子のアメフトはマイナーなのでサッカーを教え込むというケースが多いようです。女子ゴルフが盛んなのも、ゴルフ好きの父親が教えて始めさせる場合が多いとのことです。
「プロム」という学校公認のダンスパーティー
昔から、アメリカのハイスクール・ライフの象徴のように言われているのが、「プロム」と呼ばれる卒業記念のダンスパーティーです。対象の学年は最高学年の12年生(高校4年生)で、大学の合格発表が一巡して、落ち着いた4月下旬から5月に行われることが多いようです。
金曜日など、だいたい週末に行われるプロムですが、まずは1次会として、ホテルなどの宴会場を貸し切ってディナーを食べ、その後は、カップルがダンスを繰り広げます。
その準備が大変で、女子は華やかなドレスを着込み、さらにはヘアもネイルも、そしてお化粧もプロに頼んで正装となります。男子もタキシードにブラックタイ、つまり本格的な社交の練習を兼ねているというわけです。
準備ができると、男子はクルマで女子の家へお迎えに上がります。そこで、多くの場合は女子の両親が出てきて、華やかに着飾ったカップルの写真を撮ったりします。そして、クルマで会場に乗り込むというわけです。
では、交際中のカップルだけが参加できるかというと、必ずしもそうではありません。このプロムに参加するために、交際していない相手に「パートナーになってくれ」と頼み込んだりと、いろいろなドラマがあります。
実は、この時期、つまり大学の合否発表が終わる3月末から高校の卒業式の6月までの期間というのは、アメリカの高校生が「弾けて遊び回る」いちばん楽しい時期でもあります。そしてプロムはそのハイライトなのです。
問題は、1次会のディナー兼ダンスパーティーがお開きになったあとです。双方の両親公認で交際が成立しているカップルの場合などは、このタイミングでどこかへ消えてしまうこともあります。17歳から18歳ですから、そういうこともあるでしょう。