国連安全保障理事会の理事国15カ国のうち常任理事国5カ国を除く10カ国の非常任理事国(任期は2年で拒否権を持たない)は、毎年5カ国ずつ国連総会で改選される。今年は6月3日に選挙が実施され、2027~28年に非常任理事国を務める5カ国にオーストリア、ポルトガル、キルギス、トリニダード・トバゴ、ジンバブエが選出された。

5つの地域枠に割り当てられた議席を争い、いずれかが出席投票国の3分の2以上の支持を獲得するまで投票が繰り返される。

今年、この5カ国のほかフィリピンとドイツも立候補していた。なかでも最も注目されたのは「アジア・太平洋」枠の選挙だ。フィリピンとキルギスが1議席を争い、1〜3回の投票ではいずれも当選に必要な票数を獲得できず、4回目にようやくキルギスが142票を獲得。フィリピン(最終ラウンドでは49票を獲得)に大きく水をあけて、史上初めて非常任理事国となった。中央アジアの国が選出されたのは今回で2回目だ。

フィリピンにとって、この敗北は外交上の痛手となった。この選挙結果はまた、国連の内部で進む各国の協力関係の再編や多国間外交の場における同盟政治の限界、そしてより広い意味で多国間機関の有効性や将来における重要性に関する疑問を浮き彫りにした。

フィリピンは今回の選挙に向けて早くも13年に立候補を表明。フェルディナンド・マルコスJr.大統領率いる現政権は、多国間の会合の場などで支持獲得を目指し外交攻勢を展開してきた。25年にベテラン外交官のエンリケ・マナロを国連大使に任命したのも国連本部で支持を固めるためだ。

キルギスとの違い