MLB(米大リーグ機構)で大都市の人気球団と地方の小規模チームの「経済格差」は拡大する一方。資金力が戦力に露骨に反映される現状を打破しようと、機構・オーナー側は労使交渉でMLB選手会に対し球団本拠地の地域メディア関連収入を一括管理し、30球団に均等配分するという提案を行った。コミッショナーのロブ・マンフレッドは、これまでもメディア権について語ってきたが、提案を文書で示したのは初めてだ。
この提案に従えば、地元テレビ局と巨額の契約を結ぶ「大規模市場」の球団(具体的にはニューヨーク・ヤンキースとロサンゼルス・ドジャース)は、テレビ放映権料を「小規模市場」の球団と分け合うことになる。
これまでの球団経営の在り方を一変させる提案だ。従来、地元メディアからの放映権料は大物選手を獲得できるかどうかを左右しかねないビジネスの重要基盤だった。
この変更を決めたオーナー側の判断は、おそらく選手の年俸総額に上限を設けるサラリーキャップ制度の導入を前提条件にしたものだと、スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリックは指摘する。機構・オーナー側は1994年にもサラリーキャップ導入を提案したが、選手会側は史上最長のストライキで対抗。ワールドシリーズ中止の事態を招いた。
次のページ