「外部監査なし」——憲法が守る選管の聖域と職員のモラルハザード
一連のトラブルの原因について選挙管理委員会は、投票用紙の製作予算として全有権者の110%分を確保していながら、「有権者数比で最低50%以上の本投票用紙を確保」するよう各投票所に指示していたことを認めた。これを受けて松坡区などの投票所が実際には約60%しか準備していなかったことが判明した。期日前投票が過去最高の23.51%に達した理由を「有権者の関心の高さ」ではなく「当日投票が少なくなる」と読み違えたのだという。
ほかにも、京畿道城南市の開票所で安山市議会の投票用紙が見つかった。投票用紙を2枚受け取った有権者や、投票所で身分証を提示したところ期日前投票で投票済みと誤記録されていた有権者もいた。
選管の失態は今回が初めてではない。昨年の大統領選でも、前年に実施された国会議員選挙の投票用紙が混じっていたり、候補者の欄にスタンプが押された記入済みの投票用紙を渡されたりした有権者がいた。
このような不祥事が繰り返される背景の一つとして、憲法上の独立機関という特権的な地位が指摘されている。
選管は外部監査を受けることがない。過去に職員の縁故採用疑惑が浮上した際、監査院が監査に着手しようとしたが、選管は独立性を盾に拒否し、憲法裁判所もその主張を認める決定を下した。
選挙が近づくと休職する職員が増えるモラルハザードも問題視されている。今回の選挙が近づいた5月初め時点での休職者は、全職員約2900人の約6%に相当する179人で、大統領選と地方選が同時に行われた2022年6月の226人に次いで多かった。ソウル市松坡区では区内146の投票所のうち12カ所で投票用紙が不足したが、現場に対応した選管職員は1人もいなかったという。
中央選挙管理委員長が引責辞任を表明したが、委員長の交代で組織の体質が変わるかは大いに疑問である。
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