投票用紙が足りない——50カ所で前代未聞のトラブル
今回、ソウル33カ所、仁川6カ所、大邱4カ所、釜山3カ所、蔚山2カ所など、計50カ所の投票所で投票用紙が不足するという前代未聞の事態が起きた。用紙不足で投票を断念した市民や、開票が始まってから投票した有権者もいた。
韓国の選挙では、投票用紙の長さが候補者数に応じて変わる。候補者が多くなるほど用紙は長くなり、過去には50センチを超えたこともある。有権者は投票したい候補者の欄にスタンプを押して投票箱に入れる。候補者番号は国会での議席数が多い政党の順に割り振られ、続いて無所属などがカナタ順(日本のあいうえお順に相当)で番号を割り当てられる。
選管は投票用紙を有権者数に合わせて事前に各投票所に配分し、不足が見込まれる投票所には予備分を配送するが、対応の遅れから投票時間を夜10時まで延長した投票所もあった。最も混乱が大きかった松坡区の蚕室(チャムシル)7洞第2投票所では、投票用紙が足りなくなり、一時投票の受付を中断。遅れて届いた投票用紙で投票が再開された。
「選挙無効」叫ぶデモ隊、開票所を封鎖
この混乱に乗じたのが、保守系市民や極右勢力、ユーチューバーらだ。蚕室(チャムシル)7洞第2投票所では一部市民によるデモ隊が開票の中断と再選挙を求めて投票箱の搬出を阻止する騒ぎに発展した。この投票所を担当する開票所だったオリンピック公園ハンドボール競技場にはデモ隊が9日も「選挙無効・再選挙」を訴える抗議活動を続けており、競技場を利用する女子ハンドボールチームの入場を妨害するなどのトラブルも起きている。
政治学の専門家は「出口調査や開票状況を見てから投票する有権者が発生するなど、投票の歪曲(わいきょく)現象が起きた」と批判した。