たとえば、MIMIGURIには、デザイナーとしてずっと手を動かしてきたメンバーがいるのですが、今はチームを抱えてプロジェクトを運営する立場になっていて、自分で直接デザインをしなくなっているんです。でも、その人はリフレクションの結果、自分が興味があるのは「実験」だということに気づいたそうです。「デザインじゃなくて実験だったんだ」とわかった瞬間から、「実験するチームをつくろう」と興味がシフトして、今はとても楽しそうにマネジメントで実験しています。

──自分の興味を一段抽象化して言語化することで、整合する領域が広がるんですね。

上司の立場でも、デザインをやりたがっている人には「何をデザインさせようか」としか考えられませんが、「実験に興味がある」という人であれば、任せられる仕事の幅が広がります。何かを突き詰めてしまった人は特に、自分のレンズを言語化して、職業マッチングをするということが重要なのではないかと思います。

現場が「良い」と信じられるものを、評価から逃がす

──現在は、ビジネスシーンの価値観が変化する過渡期にあって、新しいアプローチを模索している最中であるように感じます。そのなかで「冒険する組織」がどう位置付けられるのか、考えをお聞かせいただけますか。

現在は各所で、近視眼的に物事を捉えることに対する警鐘がどんどん鳴りはじめていると思います。ドーパミンハックの技術が発達しすぎたために、多くの人が物事を短期的に捉え、視野狭窄に陥りやすくなっていますよね。組織であればKPI達成を求めるあまり道を誤ったり、個人であれば過激な炎上投稿をしてしまったり。こうした暴走から抜け出し、長い目で物事を考えられるようにできるかが社会の大きな課題となると思います。

長い目での評価にかなう実践法
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